みなさんはスプロケットの交換を考えられたことはありますか?
私は今のところ変える予定は無いですけどね笑
今の隼を新車で買ってから6年経ちますが、今のところ交換するレベルではないようなのでそのままです。
そこで思ったのですが、スプロケットを変えるとどんな効果を得られるのかを調べてみました。
目次
スプロケットとは
スプロケットは、「スプロケ」と呼ばれることもあります。
エンジンの動力をスプロケットを通してチェーンを回し、タイヤに動力を伝える役割があります。
チェーンとスプロケットはどちらも金属で出来ているため、チェーンを回し続ければスプロケットと接触している歯の部分も少しずつ削れていきます。
同じものを延々と使い続けると最悪歯が欠けたり削れて無くなったりすることもあるようです。
歯が無くなるとチェーンを回すことが出来ない、もしくは回りにくくなり駆動系に問題が出てきます。
そのため、スプロケットは頻繁に交換する必要はありませんが一応消耗品の一つと言えます。
ちなみにフロントのスプロケットを「ドライブ スプロケット」、リアのスプロケットを「ドリブン スプロケット」と呼びます。
スプロケットの交換時期
以前整備士の方にスプロケットの交換時期について聞いたことがあります。
スプロケットは、通常の使い方をしている程度では見た目で交換時期を判断するのは難しいということでした。
そのため、チェーンを交換するのと同時にスプロケットも交換するのが一番いいとのこと。
チェーンの交換時期については、こちらも併せて読んで頂けると幸いです。
スプロケットを交換するとどうなるのか
スプロケットを交換するとどのような変化があるのかについて記載します。
丁数の変化による影響
スプロケットの性能は歯の数(丁数)で変化します。
ドライブ スプロケット:純正より丁数を上げると「最高速度向上」、下げると「加速性向上」
ドリブン スプロケット:純正より丁数を上げると「加速性向上」、下げると「最高速度向上」
GSX1300R 隼の場合、加速性能も最高速度も申し分ないので、交換するにしても純正と同一丁数で問題なさそうです。
ちなみに隼の純正スプロケットの丁数は、以下の通りとなります。
- ドライブ スプロケット:18
- ドリブン スプロケット:43
車種によって変わるのか分かりませんが、ドライブ スプロケットの丁数を「1」変化させるのは、ドリブン スプロケットの丁数を「3」変化させるのと同等という情報もありました。
ドライブ スプロケットとドリブン スプロケット両方の丁数を同時に変えてしまうとバランスが崩れてしまいそうですね。
減速比の変化
スプロケットの丁数を変更すると、減速比も変わります。
YAMAHAさんのサイトが一番わかりやすく書いてあったので引用させていただきました。
分かりやすくいうと、エンジンの回転数に対してタイヤの回転数を少なくすること。実は、ガソリンの燃焼から得られる力は、そのままでは車体を動かすには十分ではない。そこで、エンジンの回転力=トルクを増大させるためにギヤ比(歯車のかみ合わせ比率)を利用する。 たとえば、ギヤ付きの自転車を思い浮かべると分かりやすい。軽いギヤのときは、たくさん漕いでもあまり前に進まない(ペダルの回転数に対してタイヤの回転数が少ない)かわりに、とても楽にこぐことができる。 つまり、小さな力を大きくしたければ、ギヤを介して回転数を減らしてやればよい。その比率を表すのが減速比。
つまり減速比が小さいと最高速度が上がり、大きくなると加速性が上がるという感じですかね。
では、GSX1300R 隼の純正時の減速比はどうなのでしょうか。
- 一次減速比:1.596
- 二次減速比:2.388
- 変速比 (1速):2.615
- 変速比 (2速):1.937
- 変速比 (3速):1.526
- 変速比 (4速):1.284
- 変速比 (5速):1.136
- 変速比 (6速):1.042
何のこったいって感じですね。
一次減速比とは
エンジンの回転数に「rpm」という単位が使われていると思います。
これは1分間にエンジンが何回転しているかということを表します。
エンジンの回転数とタイヤの回転数はイコールにはなりません。
たとえば、エンジンの回転数が1000rpmだったとき、タイヤの回転数も1000rpmだと一体どうなってしまうのでしょうかね…
で、エンジンの動力をミッションに伝える時にミッション側の回転数が落ちます。
これを「一次減速比」と言います。
ミッションの回転数に関する計算方法は、以下の通りとなります。
(エンジンの回転数) ÷ (一次減速比) = (ミッションの回転数)
たとえば隼のエンジンの回転数が5000rpmの時、隼の一次減速比は1.596なのでミッションの回転数は、3132.83208rpmとなります。
つまり、一次減速では1867.16792rpm減速されていることが分かります。
だからなんだっていうヽ(・ω・)/
二次減速比とは
二次減速比は、ドライブ スプロケットとドリブン スプロケットの回転数により減速されるものとなります。
二次減速比は以下の計算式によって求めることが出来ます。
(ドリブン スプロケットの丁数) ÷ (ドライブ スプロケットの丁数) = (二次減速比)
純正のスプロケットを使用している隼の場合ドライブ スプロケット18丁、ドリブン スプロケット43丁なので2.388…となり、上記で記載した諸元表と一致します。
この数値分だけさらに減速されますので、エンジンの回転数とタイヤの回転数は一致しないのです。
スプロケットの素材
スプロケットの素材として、「アルミ」「スチール」「ジュラルミン」などがあります。
それぞれの特徴を見ていきたいと思います。
アルミ製のスプロケットの特徴
- スチールよりも軽量
- アルマイト加工によって錆に強い
- アクセルワークの反応が良くなる
- デザイン(色など)が豊富
- スチールより高い
- 寿命が短い
スチール製のスプロケットの特徴
- スチールよりも重い
- 錆に弱い
- 安い
- 長寿命
ジュラルミン製のスプロケットの特徴
- ジュラルミン製はアルミ合金なので基本的にアルミのスプロケットと同じ
- 通常のアルミのスプロケットより強度が高いものもある
結論
色々調べてみるとデザイン性や軽量を重視するのであればアルミまたはジュラルミンのスプロケットがオススメのようです。
寿命で考えればスチール一択という意見が多くありました。
スチール製のスプロケットは長寿命ですが、その分チェーンのローラー部の消耗は早くなります。
また、アルミやジュラルミンと言ったスプロケットは、スチールより軟らかいためスプロケットの消耗が早くなります。
よって、チェーンを減らすかスプロケットを減らすかの違いでしかなさそうです。
ということであれば、スチール製のスプロケットを使用してチェーンを減らす方が安価になりそうな気がしますね。
隼のスプロケットを交換するメリット
スプロケットは一応消耗品のパーツなので、いずれ交換することになるでしょう。
ですが、隼の場合普通に乗るレベルであればわざわざ丁数を変更することによる性能の変化にメリットは無いと思います。
元々がハイスペックなので最高速度も加速性も変えたところでっていう感じです。
実際に試していないので分かりませんが、素材を変えたことによる変化もあまり実感出来ないのではないでしょうか。
強いて言えばスプロケットのデザインが製品によって異なるので見た目を楽しむ程度になると思います。
個人的な意見としては、交換するなら丁数も同じものでスチール製を選ぶのが一番無難だと考えています。