スクーターのようなバイクに乗っている人にとってはあんまり関係ない話ですが、マニュアル車のバイクに乗っている人は普段「エンジンブレーキ」を使っていますか?
ライダーであれば、エンジンブレーキを多用するとどうなるかということについて1度は気になったことがあると思います。
そこで今回は、エンジンブレーキは使うべきか使わないべきかについて私も気になったので調べてみました。
目次
エンジンの動きについて
エンジンブレーキの話をする前に、エンジンの動きについて記載します。
エンジンの仕組み
エンジンの仕組みについて簡単に記載します。
- 吸気:大気中の空気を取り込み、ガソリンを混ぜた混合気を作り出します。
- 圧縮:吸気で取り込まれた混合気をピストンで押し上げて圧縮します。
- 燃焼:圧縮された気体に火花を散らし爆発させます。
- 排気:燃焼したガスを吐き出します。
エンジンの内部では、これらの工程を繰り返しています。
バイクが動く仕組み
バイクが動く仕組みについて簡単に記載します。
- ピストンが上下運動をすることでクランクを回します。
- クランクが回ることでチェーンが回ります。
- チェーンが回ることでタイヤへ動力を与えています。
イメージ図
エンジンブレーキとは
前置きが長くなりましたが、エンジンブレーキについて記載します。
エンジンブレーキとは、エンジンの回転数を利用した減速方法です。
エンジンブレーキの仕組み
アクセルを開けると、エンジンの吸気部分のフタが開きます。
開いたフタから大気中の空気を取り込みますが、アクセルを離すとこのフタが閉じます。
吸気が出来ないとシリンダー内の空気が足らず、ピストンの上下運動のうち下にさげる力が通常よりも大きくなります。
これにより、エンジンの回転数は下がり、タイヤへの動力が落ちるのでバイクを減速させることができます。
エンジンブレーキを使うことのメリット
エンジンブレーキを使うことのメリットについて記載します。
1.ブレーキパッドを温存できる
若干見づらいかもしれませんが、うっすらと映っているのがブレーキパッドです。
通常のブレーキ操作を行うと、ブレーキを使うたびに少しずつブレーキパッドが削れて行きます。
ブレーキパッドを使い切ってしまうとブレーキに支障が出てしまいます。
エンジンブレーキを使うとブレーキパッドの消耗を抑えられるので、交換時期を引き延ばすことが出来ます。
※この方法がいいか悪いかについては一旦置いておきます。
2.フェード現象の発生を抑制できる
フェード現象とは、ブレーキを多用することでブレーキの効きが悪くなるもしくは、効かなくなってしまう現象のことを指します。
主にこのフェード現象は、峠道のような急カーブで下り坂が連続する場合に発生しやすくなります。
その理由は、ブレーキ操作を多用すると徐々にブレーキパッドが摩擦熱により加熱されます。
ブレーキパッドに使用される摩擦材が摩擦熱により分解されて微量ながらガス化します。
ディスクブレーキであればディスクとブレーキパッドの間に、ガス化した摩擦材が入り込むことで摩擦力がなくなり、ブレーキが効かなくなるのです。
エンジンブレーキを使用すれば、自然に速度は落ちるのでブレーキをあまり使用せず曲がることができます。
ブレーキに負荷も与えないため、フェード現象の発生を防ぐことができます。
3.燃費が向上する(?)
単純にアクセルを入れなければ燃料を使わないので、燃費が向上すると言われていますが正直よくわかりませんでした。
一度入ったギアをアクセルも入れず、そのままにしても最低限エンストしない程度に走行してくれます。
走り続けられるということは一応ガソリンは使われています。
吸気も完全に行われないわけではありません。隙間から多少なりとも吸気はされています。
そのため、燃費が向上するかどうかと言えば私は微妙だと思います。
エンジンブレーキのデメリット
調べてみるとデメリットはたくさんあるようですね。
チェーン/スプロケットへの高負荷
走行中、タイヤは回り続けます。
でも、エンジンは回転数を落として止まろうとします。
矛盾するこの動きで一番とばっちりを受けるのがチェーンとスプロケットのようですね。
たとえばゴムを左右に引っ張ると伸びます。
「チェーンが伸びる」なんていう言い方されますが、ゴムを引っ張るのと同じようなことがチェーンとスプロケットでは起こっています。
クラッチ板への高負荷
他にもクラッチ板への負荷もあったりするそうです。
シフトダウンするとギアの回転数とエンジンの回転数の差が大きくなることでクラッチ板にダメージを与えると言うもの。
詳細を書くと、もろパクリになりそうなので以下のサイト様を参考にしていただいたほうがいいと思います。
参考サイト:バイクの系譜
結論
結論としては、普段遣いでエンジンブレーキは使わない方がいいようです。
あくまでブレーキの主役はブレーキレバーを握ることによるブレーキであり、エンジンブレーキはリアブレーキと同様、補助的な意味合いで使うべきという意見が多数ありました。
ただ、峠道の下り坂+断続カーブがあるようなところでは通常のブレーキを多用しすぎることによるフェード現象の発生を誘発させる恐れがあるのでそう言った状況ではない限り、普通のブレーキを使いましょうということでした。